東シナ海では底曳網や旋網によってカナフグなどの底魚類と混獲されるが、量的に少なく、年間数百kg程度と推定されている(山田,1986)。
ドクサバフグはフグ類では珍しく筋肉にも強毒を持ち、食用にならない。しかし、東・南シナ海では食用のクロサバフグ・シロサバフグ・カナフグ・食用として認められていないモトサバフグなどのサバフグ類と混獲されるので注意が必要。
 1959年10月、北九州市(当時の小倉市)で南シナ海産の冷凍むき身によって中毒事件(死者4名)が発生し、筋肉も有毒なこのフグの存在が明らかになった。和名「ドクサバフグ」は当時鑑定に当った阿部宗明博士の命名である。約20年後の1980年と1981年にも北部九州でこのフグによる食中毒(死者なし)が発生し、本種が東シナ海にも分布することがわかった。その後は、ドクサバフグの識別法がほぼ確立され、漁場と市場における選別と監視の徹底により消費地への搬入は阻止されている(多部田ほか,1986)。中国や韓国などから輸入されるフグ類については、各検疫所により全量の鑑別が行われている。




多部田修・道津喜衛・阿部倫久.1986.東シナ海におけるドクサバフグの分布と生態.  日本水産学会誌, 52(2): 2099-2102.
多部田修・道津喜衛・阿部倫久.1986.わが国沿岸域におけるドクサバフグの出現.日  本水産学会誌, 52(2): 2103-2105.
松浦啓一.2006.人命と魚類分類学.国立科学博物館ニュース, (442):26-29.
山田梅芳.1986.ドクサバフグ. p. 450-451. 山田梅芳ほか(編).東シナ海・黄海のさかな.西海区水産研究所,長崎.
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