マグロ類やカジキ類のスプーンでくり抜いたような傷は何か/イカが食べた痕(あと)か/コバンザメがくっついていた痕か
ツノザメ目ツノザメ科の1種ダルマザメがくり抜いたものである。



ダルマザメは体長40-50 cm ぐらいの小型のサメで、世界中の暖かい海の沖合、水深85-3500 m に生息する(図)。ふつう夜間、表層でイカ類や魚類、甲殻類を捕食するが、時々マグロ類のような大型の生物の筋肉を抉(えぐ)り取る。このため、下顎(あご)は非常に硬くて大きく、これを三角の刃先を持つ鋭い歯が1列、半円形にとりまいている(図)。この歯を使って、ダルマザメは食べ物を丸くくり抜く。傷痕は直径が5-10 cm の円形ないし長円形になる。このことから、英語ではクッキーカッターシャークcookie-cutter shark と呼ばれる。薄く延ばした生地を丸く型抜きする、円形の道具のような歯を持つサメということである。このほか、葉巻きのような体形から、シガーシャークcigar shark ともいう。








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