フジツボは何の仲間か/カメノテはどのようにして食べるのか
フジツボやカメノテは、エビやカニ、ミジンコなどと同じ甲殻類である。岩などに付着し、堅い殻で被われるため、貝類のように思われがちだが、幼生(ノープリウスと呼ばれる)はミジンコのような形をしており、甲殻類の仲間であることがわかる。塩茹でや味噌汁にして賞味される。




フジツボの仲間は蔓脚類(亜綱)と呼ばれ、殻で直接付着する無柄目(フジツボ類)と、殻の下にある筋肉質の柄で付着する有柄目(エボシガイ類)に分けられる。甲羅が変化した袋状の外套膜に包まれ、その外側は石灰質の殻板やキチン質の鱗片などで保護されている。脚は殻の中におさまり餌を捕るための蔓脚(まんきゃく)に変化している。
 世界各地に分布し、波打ち際から深海までの岩、岸壁、浮遊物などに付着する。一度付着すると、死ぬまで移動できない。このため餌は海中のプランクトンなどで、蔓脚でこしとって食べる。雌雄異体または同体で、近隣の個体に生殖器を伸ばし、交尾する。受精卵は、ふ化するまで親の体内で保護される。ふ化した幼生はミジンコのような形をしており、およそ6回の脱皮後、岩などに付着して、親と同じ形になる。
 日本には約85種がいるが、ほとんどの種は大きくならないため食用とされない。また、岩に堅く付着しているので採集が困難で、多量に採集するのはむずかしい。このため、市場に流通することは少なかったが、近年、青森県などで大型のミネフジツボが養殖され、築地市場にも頻繁に入荷するようになった。
 フジツボ類はどこにでも付着するので、船底に付いて船足を遅くしたり、取水管内部に付いて管を詰まらせるなど、有害な生物として扱われることも多い。








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