「かにみそ」に白い粒状の物が混ざるのはなぜか:中腸腺(「かにみそ」)の周囲には消化器官のほかに生殖腺(卵巣または精巣)もある。このため、生殖腺や輸卵管、輸精管などを中腸腺と誤認していることが考えられる。

苦味(にがみ):水産物はそれぞれ独特の呈味成分を持っている。カニ類ではグリシン、アルギニン、アラニンなどのアミノ酸や、ミネラル成分が関与している。このうち、ミネラルの1つ、ナトリウムが減少すると苦味が強くなる。したがって、海水(塩化ナトリウムを含む)ではなく、真水に長時間漬けると(輸送時に入れた真水氷が溶けたときなどが考えられる)、苦くなる可能性がある。

黒変:中腸腺には酵素が多く含まれているため、死後の鮮度低下が速い。黒変は死後、アミノ酸の一種チロシンがいくつかの酵素により酸化され、黒色や褐色のメラニンとなるためである。このほかに鮮度に関係なく黒変することがあるが、原因はわかっていない。

利用法:甲羅焼き、甲羅酒、鉄砲汁、寿司、かにみそ豆腐など。缶詰、瓶詰などにも加工される。加工品では、中腸腺の鮮度低下が速いので、一度加熱し、酵素を失活させてから製品とされる。


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